カリフォルニケーション ある小説家のモテ過ぎる日常 (原題:Californication)

彼はもう何も手にできない・・・

デビュー作はベストセラー、その後さっぱりで鳴かず飛ばずの一発屋。
作家のハンク・ムーディーは、今や日々Sexと酒と薬におぼれる毎日。
かつて愛したカレンは別の男と婚約。
そんな荒れ果てた心と身体のハンクは、もう一度かつての輝きを取り戻せるのだろうか・・・。
先は全く見えない・・・。

放送時間: 28分
ジャンル: ドラマ
DVD発売: シーズン 1~2(JP), 1〜6(US)
初放送: Showtime 2007~
初放送(JP): FOX 2009~

総合評価:☆☆☆★
主役嫌悪度:☆☆☆☆
共感度:☆☆☆

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一発屋はいまだ夢を見る

きわどいSex描写と暴力シーンで,物議をかもし出しながらも,ネットワーク系のチャンネルにまで脅威を与えたペイチャネルの雄HBO。人気ショウが次々と終了し、やや輝きを失い始めたところ、似たような路線で頭角を現したのがshowtime。

その路線に乗った新しいドラマがこのカリフォルニケーションです。

ハンク・ムーディー (as David Duchovny)はデビュー作の"God Hates Us All"で一躍ベストセラー作家の仲間入り。しかしその後は全く書けず、今やすっかり落ちぶれてしまっています。いわゆるOne Hit Wonder(一発屋)というやつ・・・。

しかし、この彼の一発ヒットの原作が、トム・クルーズとケイティ・ホルムズの夫婦が競演する映画"A Crazy Little Thing Called Love"として製作されることになり、再びちょっとした脚光を浴びます。ほら、本がまた売れますからね。

しかしこの映画、ハンクから見ればくだらないラブコメ。監督のトッド・カー (as Chris Williams)には、いつも不満がいっぱいです。まあ、原作者と映画監督なんてそんなもんらしいです。

てか、トム・クルーズとケイティ・ホルムズ主演なら誰でも血を吐くさ・・・。ゲホッ!!

ハンクの生活はというと、作家であるという肩書きを武器に、様々な女性と寝まくる日々。もうかなり荒んでいます。だいたいこんなオヤジのどこがいいんだよ・・・。
あ、なぜか喧嘩は強いです。かなり。

彼の曲がった愛情

かつて愛し合っていた女性カレン (as Natascha McElhone)は、ビル・ルイス (as Damian Young)という男と婚約。カレンとの間に出来た子供で、ハンクと共に住んでいるベッカ (as Madeleine Martin)とカレンとは、不思議な関係があります。

今日ベッドを共にした本屋の店員ミア (as Madeline Zima)はなんとビルの娘!!しかも16歳!!
ハンクの人生はきりもみ急降下中なのであります・・・。

元々ハンクとカレンはニューヨークで過ごしていて、カリフォルニア州ロサンゼルスに移り住んだのですが、そこでのハンクの振る舞いに嫌気が差してしまい、とうとう別れてしまったのです。

今は結婚を控えてとても幸せですが、どこかしらハンクを気遣っているような側面がちらりと見受けられます。

12歳のベッカは非常に複雑な立場なはずなのですが、カレンともハンクともうまくやっています。ただ、お年頃なだけに色々とね、問題があります。いやいや、そういう複雑な時期なんですよ。

ハンクの親友であり、エージェントでもあるチャーリー・ランクル (as Evan Handler)は、ハンクの再起を願っています。ハンクの荒れ放題の私生活を見ているせいか、それを反面教師としていて、妻のマーシー (as Pamela Adlon)とは慎ましく暮らしています。

しかし、ハンクのあまりにも自由奔放な姿に、男としてのファンタジーを感じていることも間違いないです・・・。

ハンクはちょっと愛せないキャラです。なんだか・・・むかつく・・・。カレンもそんなハンクにはあきれ果ててているのですが、この2人の間の何もかもがすっかりなくなってしまったかというとそういうわけではないのです。

いや、カレンはきっちり線を引いているように見えますが、やはり一度は愛し合った2人。そんなに単純じゃないんじゃないかと・・・。ちょっとそういうのを匂わせています。このあたりの描写は実に見事です。その"何か"を感じてしまいます。

とはいえ、カレンはビルの事を間違いなく愛していますし、婚約から結婚への道をまっすぐ進んでいます。




ハンクはだらしないダメダメ男です。でもね、なんとか頑張って新作を書こうとしている姿を見ると、なぜか応援したくなってしまいます・・・。不本意ながら・・・。そして、ハンクとカレンの間にある何かを期待して、2人がどうにかうまくいかないかと願ってしまいます・・・。

繰り返しますが、こうした流れ、きっと制作側の狙い通りに見事に誘導されてしまっているような気がします。

悔しいけど・・・面白い

前半を観ていて、なんだ!?この腐れショウ(ハンク)は?どこが人気あるんだ!?なんて思ってたのですが、そういう応援の心が芽生えてからというもの、なんだか面白くなってきてしまいました。

そんな面白いショウの中で非常に気になる点が2つ。

まず、ミア役のマデリン・ジーマの演技・・・。なんか表情がいつもいやらしい・・・。エロティックな意味でもそうですし、どこかしらお下品?早熟な16歳という設定なので、そこが今ひとつぎこちないからと言いたいのかどうか知りませんが、そこまで深読みさせるの?

観てない方は、何言ってんだ?なんて感じるでしょうが、絶対気になります。これ、単に下手なのか、制作側の指示なのか判断つきかねます・・・。

そしてもう一つ、各シーン間の挿入映像。オープニングと同じようなショットなんですが、これがあまりにもしっくりこないのはわたしだけ?毎回目にするところなので、ちょっと我慢なりません。

ハンク演じるデヴィッド・ドゥカヴニーといえば,かつてはあの「The X Files」でスペシャルエージェント、フォックス・マルダーを演じていた人。今やすっかりくたびれてだらしないハンクを見事に演じています。

一方で、チャーリー役のエヴァン・ハンドラー。彼いいわー。「sex and the city」での、シャーロットの夫ハリー役の時も気になっていましたが、かなり味があってステキです。ハンクとは逆で、愛せるかわいいキャラを演じてます。

有料チャンネルShowtimeのこういうショウですので、女性の胸は平気でぼろんと出ます。性器ぼろんはなし。でも、ヘアはあったような気がする。まあ、そういった感じです。

直球評価

・ハンクのだらしなさにげんなり。
・ハンクが生理的に嫌いなら観続けられない。
・特に序盤は我慢が必要。
・しかし応援してしまう。
・ハンクとカレンの間の何かに期待してしまう。
・そして応援してしまう。
・描写、演技、共に素晴らしい。
・続いているので好評を保っているらしい。

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