クレオパトラ2525 (別題:スパイダー・エンジェル)(原題:Cleopatra 2525)

西暦2525年、人類の戦い

西暦2001年。豊胸手術の最中に冷凍睡眠状態となってしまったストリッパーのクレオパトラ。
目覚めると西暦2525年。ベイリーズと呼ばれるロボットたちが地上を支配し、人類は地下へと追いやられていた。
ヘル、サージ、の2人とともに、自由を取り戻すために戦う。

制作国: ca.gifカナダus.gifアメリカ
放送時間: シーズン1: 23分、シーズン2: 46分
ジャンル: SF
DVD発売: Complete (US)
初放送: Syndicated 2000~2001 全2シーズン 全30話
初放送(JP): 86分×3本のDVDリリース&レンタル
全部観ました。

総合評価:☆☆★
子供評価:☆☆☆
ストーリー設定:☆☆☆★

オープニング は埋め込めなかったのでリンクで。

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サム・ライミ、またやっちゃいました

サム・ライミ&ロバート・タパート組といえば、アメリカン・ゴシック、Hercules: The Legendary Journeys, Xena: Warrior Princess最近ではレジェンド・オブ・ザ・シーカー、スパルタカスなんかを作っている軍団。

映画ではそれこそ死霊のはらわた(原題:Evil Dead)シリーズや、最近ではスペル(原題:Drag me to Hell)などがあります。

彼らのHerculesが終了し、Xenaも先が長くないという苦しい時期に制作されたのがこれ。上記2つで作った人脈を最大限に利用し、今度はSFアクションものを企画したというわけです。

時は西暦2525年。ベイリーズと呼ばれるロボットたちが地上を支配し、人間たちは地下へと追いやられます。地下は相当深く掘られていて、地下のみのマンションみたいになっています。

さておき、自由を勝ち取るためにロボットたちへの抵抗を見せるレジスタンス。そこに所属するあるチームの、チームリーダーであるヘレン (as Gina Torres)、通称ヘルと、パートナーのサージ (as Victoria Pratt)の2人の戦士。たぶんサージは名前じゃなくてサージェント(Sergeant:軍曹)から来ていると思われます。

所在地不明、通信機を通して指令を出す謎の存在ヴォイス (as Elizabeth Hawthorne)に従いながら戦っています。ヘルとサージは、ガントレット(籠手)と呼ばれる機器を装着し、そこに取り付けられたビームキャノン+情報端末+その他いろいろ機能を使って戦います。

これ、蜘蛛の糸をプシューッと出して壁に掴まったり、通信衛星を打ち上げたりと、装備を変えればなんでもできます。強力なシールドも標準装備しているので、敵のビームが飛んできても防いでもらえます。

地下での移動は、縦穴を飛び降り、蜘蛛の糸を柱に繋いで横穴に着地します。上がる時は靴底のジェット噴射を使うことが多いです。

こうした機器の開発やメンテナンスするのは、良いロボットのマウサー (as Patrick Kake)。地下の一角にある基地で待機し、3人をサポートします。

2001年の豊胸手術後、冷凍睡眠状態にあったクレオパトラ (as Jennifer Sky)、通称クレオは、解凍されたところをヘルとサージに救われます。

一緒に戦うのかと思いきや、訓練を積んでいない一般人なので非戦闘要員。500年以上もギャップがあるので、おまぬけ連発です。会話がかみ合いません。中盤から武装しますが、やっぱりイマイチです。

なんといっても彼女のアホさ具合がショウのバランスを保っています。変にシリアスになりすぎてもつまんないですしね。
表情の変化は見ていて非常に面白く、主演のジェニファー・スカイの演技力を感じます。正直素晴らしいです。

アクションは基本的に弾打ちで、シールドがあり、あまり弾をよけなくてすむので、動きはそれほど激しくありません。
敵に当たる人間の姿をしたロボットのビトレイヤー(Betrayer:裏切り者の意)もかなり固くて、当たってもなかなかくたばりませんので、一発食らったら死ぬ!!という緊張感はないです。

それでも弾をよけるのにワイヤーワークでくるくる回ったり、キックを繰り出したりもしますので、アクションはそれなりに楽しめます。シーズン2ではファイティングシーンも多く、この難点は大幅に改善されました。

内容はちょっと子供っぽいです。仮面ライダー(最近のはストーリーや人間関係が複雑)なんかと同じ路線です。主人公達がお姉さまたちなので、オタク男性もあからさまに狙っています。

なので、それを楽しめることがこのショウを観る前提となります。オープニングの歌からして超説明的でベタな歌詞です。笑えます。

キャストの多くはXena/Herculesにゲスト出演していたメンバーです。制作スタッフはXena/Herculesそのまんまです。ニュージーランドで主に撮影していたようです。

シーズン2の途中でキャンセルされ、ベイリーズやマウサーの存在や、クリーガンとヴォイスのの関係、クレオがなぜこの時代にやってきたかなど、多くは謎のままです。色々考えていたみたいですけど・・・。

これ、後半の6話以外は30分ものです。

なんと日本ではDVDがリリースされているもよう。ただし、3部作構成で1本あたり86分というわけのわからない編集です。
サム・ライミがスパイダーマンの監督をしたことを受けてか、「スパイダー・エンジェル」という邦題をつけるところはアホそのものです。確かに蜘蛛の糸みたいなの使うけどさぁ・・・。

安く買って未公開映画風に編集したようですが、あまりにもやり方がひどすぎ、観ても何がどうなんだかわけがわからないというのが、一般の型の評価です。

評価が最低に近いのはそのせいで、オリジナルの制作に罪はありません。そんなわけで、日本版はあまりお勧めできません。片鱗を知る程度に留まりそうです。

レンタルもあるようですから、目にすることはできるようです。置いても少しも回転しそうにないですけどね・・・。

ファン的視点

サム・ライミ(英語読みではレイミ)といえば、

「死霊のはらわた」「アメリカン・ゴシック」「スペル」といったホラー路線。

ただ単に自身がファンという「スパイダーマン」路線。

そして「Hercules: The Legendary Journeys」や「Xena: Warrior Princess」「レジェンド・オブ・ザ・シーカー」「スパルタカス」などのファンタジー路線。

この3つに大別されます。Xenaで、アクションファンタジー(アクションの凄さ、面白さが半端じゃない)が完全に開花し、それが受け継がれたのがこのクレオパトラ2525です。しかし、残念ながらそのアクション性が低く、多くのファンをがっかりさせたことでしょう。

SF的なストーリーの主軸はしっかり考えられていて、毎回少しずつ露わになっていきます。こういったところはテレビで鍛えられたところでしょう。ほとんどポイされたけどね。

サム・ライミ、ファンタジー部門のファンとして、ストーリー性は大きく評価します。前半は23分の中に上手く詰め込んでいたことも評価に値します。

ただ、ちょっと子供向け路線に傾きすぎたところが残念に感じました。クレオパトラというキャラクターとジェニファー・スカイの演技力があまりにもしっくりしすぎたせいか、シリアス路線が陰ったように思います。

子供向けっぽい=アホらしいです。ざーっと観直していても、どこかアホっぽさが目立ってしまいます。その一因に、アクションシーンの緊張感のなさもあるようです。
シーズン2では改善されましたが、一度付いたイメージはなかなか変わらなかったようです。

残念な結果に終わったショウですが、ファンとしては一目を置きました。しかし、二度と日の目を見ることはないですし、彼らチームにとっても汚点に終わったというところでしょう。

直球評価

・純真になれば楽しめる。
・でも所詮子供向け。
・バックストーリーはよく練られているようだが、判明せずに終わる。
・アクションシーンは今ひとつ。緊張感低い。
・シーズン2は改善されて満足。
・23分で見事に作ってると感じる。
・ジョニファー・スカイの多才さと演技に拍手!
・クレオのアホさが面白い。
・一ファンとしては評価するが、人には勧められない。


先頭は英語版のコンプリート。日本語版については詳しく分かりません。

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