ダメージ (原題:Damages)

ルールは一つ。誰も信じるな!

ニューヨークの大富豪アーサー・フロビシャーを相手に戦いを挑む、敏腕検事のパティ・ヒューズ。
彼女の事務所に新たに加入したエレン・パーソンズは、その複雑なうねりに飲み込まれてしまい、殺人容疑で逮捕される。
全ての始まりは・・・6ヶ月前。

放送時間: 45分
ジャンル: ドラマ
DVD発売: シーズン1~5(US)、シーズン1~3(JP)
初放送: FX 2007~
初放送(JP): NHK BS2 2008~
U-NEXTで配信中!!

総合評価:☆☆☆☆
暗さ:☆☆☆☆☆
複雑さ:☆☆☆


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ショウは、血まみれで下着にコートを羽織ったエレン・パーソンズ (as Rose Byrne)が,マンションを出て、ニューヨークの街をさまよい歩くところから始まります。ほどなく警察に拘束され、彼女のマンションからは婚約者のデイヴィッド・コナー (as Noah Bean)の死体がバスルームで発見されます・・・。

物語はその6ヶ月前。エレンが超有名な検事、パティー・ヒューズ (as Glenn Close)の事務所に面接に行くところから始まります。パティーはアーサー・フロビシャー (as Ted Danson)という大富豪を相手取り、従業員と共に集団訴訟を起こしているところ。

フロビシャーは、従業員に株を投資させ、値段をつり上げて自分はまんまと売り抜けるという株価操作をやってのけ、刑事裁判では無罪判決。この集団訴訟も、弁護士のレイ・フィスク (as Zeljko Ivanek)と共に、真っ向から応戦します。

この一件、エレンの婚約者デイヴィッドの姉、ケイティ・コナー (as Anastasia Griffith)が証人として絡んでいることから、パティがエレンを採用したようです。訳あり採用。

パティは幾多の修羅場をくぐりぬけてきただけあって、何でもお見通しといった感じです。周囲はそういうのについて行けていない気もします・・・。もうね、かなり腹黒いです。

トム・シェイズ (as Tate Donovan)はパティの右腕で、エレンの面倒もよく見てくれます。そのわりにはパティにパシリのように扱われ、あちこちを奔走する日々です。まあ、きっとそれも彼を信頼してのことでして、実際、彼の実力を買っています。

大富豪vs敏腕検事の戦いだけあり、裏側は非常に泥臭い戦いです。フロビシャーとレイ・フィスクは、訴訟と証人潰しにやっきで、ケイティにもその魔の手が及んでいきます。

しかしながらこの2人、名コンビとはちょっと言い難いです。お互い自分の立場と目的があり、裏でどす黒いシナリオを描いています。

シーズン1では6ヶ月前、パティとエレンがコンタクトを取り、エレンの事件が起きるまでを中心に描いています。断片的に現在(事件が起こって以降)の状況を部分的に視聴者に見せていきます。こうして少しずつ物語の全容が明らかになっていきます。

このような見せ方がショウを面白くしています。最初はとにかくわかりにくく、しばらくは戸惑うでしょう。ノラン兄弟の映画「メメント」よりはわかりやすいですけど・・・。過去のシーンはみっちり見せてくれますから。現在のシーンはぶつぶつ切りまくっていて、ほんの少しずつしか見せてくれません。

幸いなことに、内容がそんなに難しくないです。わくわくしながら楽しめます。単純に泥臭い訴訟の裏側を楽しめます。

で、6ヶ月前が5ヶ月、4ヶ月と近づいていきます。こう、真実が少しずつわかっていく喜びみたいなのがあります。これ、一本のながーい物語だけで、他に細かい云々はほとんどありません.

グレン・クローズってテレビに出てくるたびに話題になりますが、そんなに何かを作り出してるという感じがわたしはしません。このショウでもゴールデン・グローブ賞を獲得していますが、どこがどう良いのか、わたしにはよくわかりませんね。

きっと何かこう役者のオーラみたいなのがあるんでしょうけどね。わたしは彼女から、そういうのを感じないんですわ。

グレン・クローズって注射うちまくってるのか、見るたびにしわが減ってぷるぷるしてますね。と思いません?

フロビシャーを演じるテッド・ダンソンは雰囲気があって非常によいです。フロビシャーの色々な面を見せてくれています・あとはレイ・フィスク演じるジェリコ・イヴァネクですね。この人も味があって見ていて飽きません。もちろん、エレンを演じるローズ・バーンも素晴らしいです。

グレン・クローズ以外の気になる役者がいっぱいいるんですよね。

ケイティを演じるアナスタシア・グリフィスでしょ。パティの伯父で、裏の仕事担当?みたいな謎のアンクル・ピートを演じるトム・アルドリッジ。そして従業員でありながら、フロビシャーのために従業員の団結をそごうとするラリー・ポルパー演じるヴィクター・アーノルド。この3人はクセのある役をホント見事に演じています。きっと気になるはず!

メインテーマ曲はThe VLAの"When I am through with you"という曲だそうです。

あと、画がどえらい綺麗です。かっこいい!!久しぶりかな?テレビ番組でおおっ!!と思わせる作品は。誰なんですかね?調べてみると、LAW & ORDERでカメラで鍛え上げられたデイヴィッド・S・タットマンという人だそうです。

暗めのショウなんですが、アメリカで評価が高いというのもうなずけます。確かに面白い。ただ、その面白さを感じるまで少し辛抱が必要ですので、さっさと見捨てたりしないでください !

ちなみにこのDamagesとは、損害賠償のことです。





時間的視点

わたしのあまり好きでない時間操作型です。

まあ、脚本の妙というやつですね。単純な事件を複雑化させるため、断片を切り売りするように見せて、内容をより盛り上げるための手法です。

観ている方は、わけが分からなくなってくることがあり、下手するともう一度観ないと分からないという事態が発生します。個人個人の理解度も違うため、分かり難くしすぎると、評価が割れてしまいます。

このショウも、なかなか核心に迫らないためイライラさせられますが、色々な角度から何度も何度も見せたりして、理解度が徐々に増すようになっています。シーズンの最後には、かなりの量の真実が一気に吹き出るので、一気に理解できます。

そういった点では、こうしたタイプの割に、わかりやすくまとまっていました。

シーズン2以降も同じような手法だそうです。わたしはシーズン1での片付き方に不満があり、物凄くがっかりさせられました。

パティとエレンの関係は、複数シーズンにわたって、少しずつ明らかになっていくようです。DVDは厳しいから、テレビでだらーっと観るのがよいのかな。

直球評価

・時間いじり型の割にわかりやすく面白い。
・映像が綺麗。はっきり言ってびびる。
・役者も画面も物凄く雰囲気が出てる。
・ちょっと暗い。そして腹黒い。
・裏側がとにかくドロドロドロロ。
・私利私欲と陰謀だらけ。そこが面白い。
・シーズン1の終わり方にしこりが残りすぎ。

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