テッド神父 (ファーザー・テッド) (原題: Father Ted)

世界一奇妙な神父のトリオ

アイルランドの西にあるクラギー島。
ここを教区とした教会のテッドを始めとした3人の神父。
彼らは島の人々に教えを説く立場にあるが、どうやらその職にふさわしくないような・・・。

制作国: ie.gifアイルランド uk.gifイギリス
放映時間: 24分
ジャンル: コメディ
DVD発売: シーズン1~3, コンプリート(UK,US)
初放映: Channel 4 1995~1998
初放映(JP): BBC Japan? 2004??~2006??

全部観ました。
コンプリートセット(UK)買いました。

総合評価:☆☆☆☆
爆笑度:☆☆☆☆
お下劣度:☆★


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アイルランドの西方に浮かぶクラギー島(架空の島)。テッド・ククリー神父は、この島を教区とする教会で司祭として働き、日々教えを説いています。周囲からの評価は高く、そして信頼も厚いようです。

ドゥーガル・マグアイア神父は、25歳の若き司祭。ただ、頭の中は見た目以上に幼く、そもそもカトリックの教義すらよくわかっていません。祈りの言葉を求められると、いつもあたふたし、適当な言葉を並べてお茶を濁します。

夢と現実の区別もついていないようです。あまりにもアホ過ぎて、時々会話が成立せず、テッドをイライラさせます。そうしたやり取りは、このショウの笑いどころの一つです。

ジャック・ハケット神父は、一見生きているのか死んでいるのかわかりません。部屋の隅で専用の椅子に座り、異様な気を発しています。周囲の壁は汚れ、本人も薄汚いです。重度のアルコール中毒で、視野に酒が入ると、途端に元気になります。

まともな会話はできず、「Feck!!」「Arse!!」「Drink!!」ばかり言っています。基本的に酒と女性以外には興味がありません。なんでも、この「Feck」というアイルランド英単語がイギリスの百科事典に登録されたとか・・・。

ドイル夫人 (Mrs. Joan Doyle as Pauline McLynn)は、3人の司祭のお世話をする家政婦です。この仕事に尋常ならぬ熱意を持っていて、教会の雑用に関しては超一流です。よく転げ落ちたりしています。ファーストネームは秘密ですが、スクリプトにはジョアンと記されているそうです。

また、いつも大量のお茶やケーキを出してきては人々に強制します。断られると、さらにムキになって強要するので、受け容れざるをえなくなります。以前は結婚していたようで、未亡人のようです。

テッドは一見まともですが、実は欲望にまみれています。何だかんだ言って、女性やお金には敏感で、それらの誘惑にはことごとく負けています。彼の野望は、リッチなラスベガスの教区に移ることで、それが彼の日々の原動力になっています。

女性とお金に関しては、3人とも飢えています。恐らく彼らにとって、カトリックの教義は厳しすぎると思っているのでしょう・・・。




大爆笑ショウと作った人

久しくコメディで声を出して笑うことがなかったわたしにとっては、久々のヒットコメディショウとなりました。あまりにもバカすぎて笑えてしまいます。やはり、3人のアホらしさは笑いのツボに見事にヒットしてくれました。

昔から予告映像で、面白そうだけどお下劣そう(ジャック神父を見て)だと思って敬遠し続けていました。きっかけは、名コメディショウ「Black Books」のクリエイターの2人が、このショウのクリエイターであるということです。

アーサー・マシューズ (Arthur Mathews)とグレアム・ライアン (Graham Linehan)は、「Big Train」「Jam」「Black Books」など、ヒットコメディーメイカーで、アイルランド人です。グレアムは最近では「The IT Crowd」を成功させていますね。

ハズレもたくさん作っていますが、このショウに関しては大当たりの部類に入ると思います。キリスト教やカトリックに疎い日本人には厳しいところもあるはずなのですが、それをほとんど感じさせません。きっと知っていればもっともっと楽しめるとは思いますけどね・・・。

宗教的視点

このショウは制作者たちの出身国アイルランドに先駆けて、イギリスで放映されることとなりました。イギリスはプロテスタントですから、カトリックの神父たちがどのように振舞おうと、気にとがめることがないからだということです。

一方、アイルランドはカトリックの国ですから、このあまりにもふざけた神父たちを公共の電波に乗せるのに、少し躊躇があったようです。しかし、イギリスでの予想以上のヒットに伴って、ようやくアイルランドでも日の目を見ることになります。

で、実際どうなんでしょうねぇ?敬虔な信者の皆さんやカトリックの関係者の皆さんは・・・。おおらかに笑えるのか、それとも憤慨してしまうのか・・・。アイルランドでも人気を獲得したと言うことは、少なくとも一般のカトリック信者にはコメディとして受け容れることが出来たようです。

わたし達からすれば、神社やお寺を舞台にしたコメディショウを作れるかというところですね。そのように考えてみると、なかなか厳しい題材だと思います。コントのような単発もののネタならあるでしょうが、こうしたテレビシリーズともなると、物議を醸し出しそうです。

とはいえ、仏陀とイエスを主人公にした漫画「聖☆おにいさん」は受け容れられていますね。あれはあれでちょっと違うか・・・。

主なキャスト

テッド・ククリー神父 (Father Ted Crilly)
演:ダーモット・モーガン(Dermot Morgan)
クラギー島の神父。人々の信頼は厚いが、実は物凄く腹黒い。

ドゥーガル・マグアイア神父 (Father Dougal McGuire)
演:アーダル・オハンロン (Ardal O'Hanlon)
一応神父だが、神父とは言えないほど何も知らない。脳みそは子供。

ジャック・ハケット神父 Father Jack Hackett)
演:フランク・ケリー (Frank Kelly)
生きているか死んでいるかわからないゾンビのような神父。酒と女にしか興味がない。

ドイル夫人 (Mrs. Joan Doyle)
ポーリン・マクリン (Pauline McLynn)
教会での仕事に誇りを持っているお手伝いさん。大量のお茶を注いで無理矢理飲ませる。

直球評価

・カトリックのクリスチャンは観ない方がいいかも。
・思い切りが良く、笑える!!
・下品なようでギリギリ下品ではない。
・かなり挑戦的で意欲的な作品。
・キリスト教に詳しくなくて良い!
アメリカ版


イギリス版は安い!!

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