アウトランダー (原題:Outlander)

200年前への純愛の旅

戦場で看護師を努めたクレアは、戦後夫のフランクとスコットランドに旅に出る。
そこで、ひょんなことから200年前にタイムスリップしてしまう。
イギリス軍の将校に襲われるが、ハイランダーに救われ、彼らの小隊と旅をする。

制作国: us.gifアメリカ
放送時間: 68分
ジャンル: ロマンス
DVD発売:
初放送: Starz 2014〜
初放送(JP): Hulu 2014

総合評価:7/10 7.2/10
番組構成:8/10 8.0/10
サプライズ度:8/10 7.8/10


書籍です

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原作小説は珠玉のロマンス

このアウトランダー。原作はダイアナ・ガバルドン(Diana Gabaldon)著の小説で、小説の邦題は「時の旅人クレア」。
うーん、ださい!
そう思ったのか、テレビドラマの邦題は「アウトランダー」に・・・。

しかし、この「アウトランダー」という名前。アメリカの出版社が、元のタイトル「Cross stitch」じゃ今ひとつとして、強引に変えた名前だとか。
イギリス版は「Cross stitch」になっていますが、シリーズ名が「アウトランダーシリーズ」と呼ばれているので、出版社は偉かったってことですね。

この小説の売りは、他にはない、丁寧な描写、美しく熱い純愛。
読んでみると、わたしとしては、意外と軽くてさらっと読みやすく感じます。
全てが主人公クレアの視点で描かれていて、それに自分の感覚も載せて一緒に旅をするような感じです。

あまりに描写が丁寧すぎて、一冊900ページ近く。日本語版は、これが3冊に分割され、ハリー・ポッターもびっくりです。

今では8冊が出版されています。日本語版は、それぞれを3つか4つに分けているため、6作目で全20巻。

1. Outlander (Cross Stitch) / 時の旅人クレア / 1991
2. Dragonfly in Amber / ジェイミーの墓標 / 1992
3. Voyager / 時の彼方の再開 /1994
4. Drums of Autumn / 妖精の丘にふたたび / 1997
5. The Fiery Cross / 燃ゆる十字架のもとに / 2001
6. A Breath of Snow and Ashes / 炎の山稜をこえて / 2005
7. An Echo in the Bone / 2009
8. Written in My Own Heart's Blood / 2014

タイムスリップするまで・・・

本編の主人公クレア・ケンダール(ケイトリオーナ・バルフェ)は、第二次世界大戦中は、戦場看護師として兵士達を支えてきました。
1945年。戦争は終結し、戦時中MI-6(英国の諜報機関で、アメリカでいうCIAな位置)で働いていた歴史学者のフランクと5年ぶりに再会します。

二人はスコットランドのインバネス(和装のとんびの故郷として有名ですね)に旅行に出掛けます。
かつてはハイランダー達が英国と戦った地で、古くからの慣習や迷信が根強く残っている地域です。
そこで歴史探究や遺跡巡りを楽しみます。

フランクは、自身の祖先を辿り、かつてのドラグーン(小型マスケット銃ドラグーンを持った騎兵団)のジョナサン・"ブラック・ジャック"・ランダルの血を引く物と知り、喜びに溢れます。
彼はスコットランドで戦ったイングランドの英雄として知られる存在です。

一方で、クレアは地元民に聞いた遺跡、クレイグ・ナデューンを訪れます。
そこで石に触れた途端、彼女の旅が始まってしまいます。

時は1743年

クレアが目覚めると、200年前のコスプレをしているとおぼしき人たちと遭遇します。が、どうやら彼らは本気のよう・・・。そう、200年あまりの時を遡ってしまったようです。
そこで出会った赤服(イングランド兵)は、フランクそっくりの男。に、襲われかけます。

それを救ったのがスコットランド人の若き男です。
イングランド軍とは同行できなくなり、仕方なくスコットランド人の一団と行動を共にする事となります。
どうやら、あのイングランド兵のくそ男が噂のジャック・ランダル(夫フランクの祖先)であることがわかります。

クレアがこの時代に生き残るための武器は、大戦の従軍看護師として鍛え上げられた不屈の精神力と、この時代にはない医術知識と技術です。
その時代にはあり得ない堂々とした女性であり、確固たる医療技術は、怪しいイングランド女(放浪者を意味するサセナッフとよく呼ばれる)でありながらも、ハイランダー達の信頼を少しずつ得ていきます。

それでもこのような時代(イングランドとスコットランドが戦争中)ですので、彼女はイングランドのスパイではないかと勘ぐっています。
クレアはまさか未来からやって来ましたなどと話せるわけもなく、うまく自分の身分を偽ろうとしますが、その挙動の怪しさは彼らにあっさり見抜かれ、結果としてマークされてしまいます。

クレアを救った若き青年ジェイミー・フレイザーは、致命傷を負ったところをクレアに救われ、彼女を恩人として丁重に扱います。

元の時代へ

クレア達一行は、何とかハイランダー達の居城に辿り着きます。
丁度ヒーラーがいなくなったこと、イングランド軍に渡したくないという城主コルム・マッケンジーの意向から、城での生活を余儀なくされます。

そんな孤独を埋めてくれるのが、患者であり、クレアを救い、クレアに救われた若き青年ジェイミーです。
また、城で働くおばちゃん、ミセス・フィッツギボンズも何かと世話を焼いてくれます。

とはいえ、やはり古い慣習だらけで、信心深いスコットランド人と付き合っていくのは非常に難しいです。
彼らの母国語はスコットランド・ゲーリック語で、英語も話せますが、やはり何かしらの時は母国語です。
クレアにはまったくわかりませんので、会話の外におかれてしまいます。

そんなある時、パーティーで歌われた歌の内容が、クレアの体験と全く一致します。
その歌によると、再びクレイグ・ナデューンの石に触れられれば、元の世界に戻れるかもしれないということです。

この歌はスコットランドでは有名らしく、誰しもが知っているそうです。
現代世界では、フランクが必死にクレアを探し続けています。
クレアに明確な目的ができました。何とかクレイグ・ナデューンに近付き、元の世界に戻ることです。

時代錯誤

このショウの見所の一つは、時代の違いによる様々な感覚の違いです。
はっきり言って、クレアのように独立した女性はいません。
歯に衣着せない発言をしたり、堂々とした言葉(当時にすれば女性が使うにはかなり乱暴な)、自信のある態度を持つ女性はいないのです。

そこに嫌悪感を抱く者もいれば、他の女性には全く観ることが出来ないところに惹かれる物もいます。
そして、この時代ではまじないじみた医療と呼べるかどうか怪しい物や、薬草に頼った医術とは違う、現代医術での治療は、誰をも驚かせます。
戦場での過酷な経験が、ここでの生きる糧になっています。

一方で、当時の人たちの感覚。危険を察知する能力、相手を見抜く能力に、クレアはなかなか太刀打ちできません。
彼らは日々危険な中をくぐり抜けているため、安定した文明社会で育ったクレアの感覚より、はるかに鋭いのです。




Starzシーズン構成的視点

1シーズン1冊のペースでひたすら進んで行くと思われます。
小説をすでに読んでいる方には、大まかなくくりがわかるでしょう。

で、現在は8話目まで放映され、残りは来年の4月放映予定です。
それで1シーズン終わりです。

わたしはStarzのシーズン構成について全くわかりません・・・。
新鋭なんですよ。

正直、こんなに待たせていいのかしら?と思います。
まあ、娯楽は他にもたくさんあるので、というところかもしれませんが・・・。

直球評価

・歴史ものなので、好きな人にはってところ。
・好きなら自然と勉強したくなる。(わたしは結構興味あり)
・文化と歴史が学べて面白い。
・全体的にゆったり。
・とがった面白さというのはない。
・年配向け感たっぷり。
・必死になって見るような内容ではない。
・図書館で本借りて読みました。(ドラマ効果か人気)

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