ロボコップ ザ・シリーズ (原題:RoboCop: The Series)

今もどこかで犯罪が・・・

低予算の割にそこそこヒットした映画ロボコップ (1987)のテレビシリーズ版。
殉職した警官アレックス・J・マーフィー基に作り上げたサイボーグ警官ロボコップ。
常にニュー・デトロイトのどこかで起こり続ける犯罪を追い、戦い続ける彼の姿を描く。

制作国: ca.gifカナダ
放送時間: 45分
ジャンル: SF
DVD発売: コンプリート(UK, Canada)
初放送: CTV, FOX 1994~1995
初放送(JP): CSN1 1996?

全部観ました!
UK版のDVDセット買いました。ちょっとでかい・・・。
まともな特典もあるCanada版をオススメします。

総合評価:☆☆☆★
キャラクタ性:☆☆☆☆
暴力性:☆☆★


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ロボコップとは

基礎知識として、映画一作目の概要を知っておく必要があります。

舞台は近未来のデトロイトシティ。今は事実上、一企業が街を支配しています。テクノロジーは格段に進歩しましたが、それによって幸福度が増したというわけではなく、多くの社会問題がなお残っています。

殉職した警察官アレックス・J・マーフィー (as Richard Eden)の体を、巨大企業OCPがロボットの制御系として必要だった生身の人間として組み込んでサイボーグ化したのがロボコップです。記憶を失い、ただ秩序を守るロボットとしてプログラムされています。

ロボコップのアレックスは記憶を消されていますが、ごくわずかに家族の記憶が残っていて、その思い出がたまにフラッシュバックします。彼が殉職したことになって以降、生活が苦しくなった妻のナンシー (as Jennifer Griffin)と鉢合わせることもあり、父親のいない家庭の難しさ、苦しさを見せ付けられます。

また、父親を失って自分自身すら見失いかけている息子のジミー (as Jordan Hughes)を見かけるたびに、複雑な気持ちになります。彼は、所詮サイボーグ警官という立場でしか接することが出来ないのです。

この、家族に対する決して届くことの無い、父親としての愛情。ここがロボコップの最大のポイントです。

テレビシリーズのロボコップを取り巻く人々

マーフィーのかつての相棒であるリサ・マディガン刑事 (as Yvette Nipar)は、彼の正体を知っている数少ない人物です。よく本名で呼んでますけど、それマズイでしょ。スタンリー・パークス巡査部長 (as Blu Mankuma)もマーフィーの良き理解者です。

ロボコップの設計者の一人であり、メンテナンスを担当するチャーリー・リッペンコット (as Ed Sahely)は、いわゆる科学オタクです。高度な技術力で、ロボコップを修復したり、新たな武器や機能を開発しています。

ロボコップの所有者(残念ながら物扱い)であり、このニュー・デトロイト・シティを事実上支配しているのがオムニ社、通称OCPという巨大企業のチェアマン (as David Gardner)。

彼は警察も管理下においていますし、報道やあらゆる種類の商品販売もすべてOCPが行っています。しかもチェアマンのワンマン経営です。

一応市長もいますけど、権力はかなり小さく、無いに等しいです。

ロボコップに抵抗した際、顔に薬品がかかって以来、勝手にライバル視している犯罪者ウィリアム・レイ・モーガン (as James Kidnie)。通称パドフェイス・モーガンは、毎回あらゆる手を尽くしてロボコップに挑みます。むかつきますが、愛嬌のあるヤツです。

また、パイロットエピソード、ロボコップ NEW BATTLEでデルタシティ全体を管理するシステム、ニューロブレインの一部となったダイアナ・パワーズ (as Andrea Roth)は、その能力を活かしてロボコップを強力にサポートしてくれます。

映画の2や3は、単なるバイオレンス映画でかなりひどい内容らしいですが、このテレビシリーズは元の設定をうまく活かして、アレックスの家族やかつての知人など、わずかに残された感情と記憶を多く取り扱っているところが面白さと思います。

バイオレンス路線からの脱却

映画はアクションものとして、そちらに偏重し、新しい敵ロボットとか出してしていったところがつまらなくさせたのかもしれません。まあ、こういった映画の2作目3作目にはありがちなパターンです。

テレビシリーズは、毎回盛り上げなければいけないので、ロボコップはいつもボコボコにされて窮地に陥ります。壊されすぎだろう・・・と感じてしまいます。直すのにお金がかかって仕方がないと思うのですが・・・。

シリーズものなので、いつものキャラにいつもの特殊ツールなど、お馴染みとなるものがあるので非常に見やすいです。ストーリーも、独占企業の在り方や、政治、教育などをテーマに取り上げるあたりもシリーズならではと思います。内容も爽快で、非常に面白いですよ。

家族向けなので、映画や次のテレビシリーズ、プライム・ディレクティブほど暴力的な感じも少ないですし、観やすいかと思います。

人が凄惨な死に方をしたりしません。少なくとも画面上に出てくることはありません。

ロボコップの動きなどのギミックは、映画のそれに忠実です。そりゃ原作者の2人が一枚噛んでいますからね。2014年公開の新しい映画は、映像的に今の持てる技術を精一杯使って、古いファンの知るロボコップとは全く違いますけどね。



青春的視点

わたしが学生の頃、家で何気なくケーブルテレビの番組を観ていて発見したのが、このロボコップ ザ・シリーズ。確かCSN1という放映局だった気が・・・。

はっきり言って全然ロボコップファンではなかったし、一度テレビの映画番組でやってたのをちょろっと観た程度でした。映画公開当時、そこそこロボコップ自体は流行っていて、よく芸人なんかが真似をしていたので、認知度は高かったのです。

最初に観たのが、1話目に当たる「ロボコップ:ニュー・バトル」だったかどうか定かではありませんが、非常に面白い!と感じました。何でも、この2時間のパイロットエピソードが、本来はロボコップ2の脚本だったそうですが、プロデューサーに蹴られ、あの悪評名高いロボコップ2となったとのことです。

多くのファンが叫ぶように、このシリーズのパイロットエピソードである、「ロボコップ:ニュー・バトル」こそが、正統なるロボコップ2と言って良いでしょう。シリーズのキャストにもなる、ニューロ・プレイン、ダイアナ誕生のエピソードです。

テレビシリーズならではの、固定され、親しみが沸いてくるキャラクター達に愛着が沸き、1話残らずビデオに収めました。それくらい、当時はお気に入りのショウでした。

ビデオデッキ自体が家からなくなり、DVDセットも発売されずでしたが、数年前にイギリスでリリースされ、すぐに買いました。今ではカナダでもDVDセットが発売されています。こちらの方が特典映像もあってお得です。

日本ではVHSとレーザーディスク・・・があるみたいです。レーザーディスクデッキ、持ってましたよ。

わたしが年を取ったこともあり、随分と違っては見えますが、それでもそこそこうまく作られているシリーズだと今も評価します。

ロボコップ自体は既に終わったキャラクターとなっていましたが、2014年にはリメイク映画が公開されました。あれはもうわたしのような昔世代の知るロボコップではないです。第一凄く機敏だし。

あの、のろくて鈍くさいところがロボコップの魅力の一つなのに・・・。

このショウが好きなら

ロボコップ誕生から10年後という舞台設定のテレビシリーズ、プライム・ディレクティブはファンとしては外せないはずですが・・・、かなり暗いのでどうかなぁ・・・。寂しさすら感じてしまいます。

直球評価

・映画の知識はそれほどいらない。ドラマ内である程度説明される。
・家族との関わりによって生じるアレックスの苦悩が見所。
・周囲を固めるキャラクタがしっかりしている。
・内容はベタっぽいのが多い。
・映画ほど暴力的ではない。
・むしろ教育的要素もあって子供向け。
・色々な意味で哀愁が漂い、オールドファン向け。
・歳のせいか、昔ほど面白く感じない・・・。
・とはいえ、「ロボコップ NEW BATTLE」は最高!!


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