Slings & Arrows

シェイクスピアも涙する悲惨なドラマ・・・

役者として輝かしい功績を挙げたジェフリーは、ニュー・バーベイジ劇場に戻ってきた。
彼の師であり、フェスティバルの芸術監督であったオリヴァー・ウェールズが事故で死去。
ジェフリーは代役として困った劇団員やスタッフたちと、無駄な火花を散らしながらショウを行うことになる。

制作国: ca.gifカナダ
放送時間: 46分
ジャンル: コメディ
DVD発売: シーズン1~3 (US, CA)
初放送: The Movie Network 2003~2006
初放送(JP): 未放送

全部観ました。
DVDも全部(CA)買いました。

総合評価:☆☆☆
変人度:☆☆☆☆
万人受け:☆☆★


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日本人にはあまりゆかりのないシェイクスピア。そのシェイクスピア作品の中の、ハムレットの舞台劇を制作している現場がこのショウの舞台となります。ハムレットというと、メル・ギブソンが数年前に映画でやっているので、知らない方はそれを観ると良いかも。

簡単に説明すると、王である父親を殺害された青年ハムレットの復讐劇です。なかなか泥臭いお話。

ニュー・バーベイジ劇場で芸術監督の地位に就くオリヴァー・ウェールズ (as Stephen Ouimette)。彼のショウは人気を博しているようで、周囲の評価も非常に高いです。彼自身ももちろん素晴らしい監督のようです。個性的な役者たちをうまく指揮し、ショウを成功に導いています。

初日を無事終わらせましたが、トイレで自分への酷評を耳にしてショックを受けます。公衆電話からかつて共に舞台を作ったジェフリーに電話します。過去のことで口論になった後、オリヴァーは道路に寝転がり、ハム業者のトラックに轢かれてこの世を去ります。

かつて彼を師と仰ぎ、今は彼といがみ合う仲のジェフリー・テナント (as Paul Gross)。素晴らしい役者としてその名を馳せた彼も、今や落ち目の変人です。彼の"Théâtre Sans Argent"(直訳するとお金のない劇場だとか)はお金が無くてもう崩壊寸前です。

どう考えてもリーダーシップとは無縁。人望もなさそうですし、ちょっといっちゃってる感のある彼は、劇団を迷走させます。いわゆる迷Directorってところ。

もう結構な年ですが、主演女優であり、オリヴァー、ジェフリーの2人とも色々な過去のあるエレン・ファンショウ (as Martha Burns)。ジョフリーのかつての恋人です。実力派らしいですが、その分かなりわがまま。オリヴァーやジョフリーのことを嫌っているのもあってそういう態度なのかも・・・。若い10代?恋人のスローン (as Matt Fitzgerald)がいて、一緒に住んでいます。

劇場のゼネラル・マネージャーであるリチャード・スミス=ジョーンズ (as Mark McKinney)。彼もまた、ちっともしゃっきりしません。役者たちからもちっとも好かれていません。よくここまでやってこれたもんだと思うほどです。

オリヴァーのシェイクスピアに憧れ、ついにデビューを遂げたケイト・マクナブ (as Rachel McAdams)。新人らしく、この世界の洗礼を次々と浴びていきます。仲が良いのがクレア・ドナー (as Sabrina Grdevich)で、色々と教えてくれます。

また、オリヴァーが主役に抜擢したハリウッドスターのジャック・クルー (as Luki Kirby)とも仲良しです。このジャック、なんとキアヌ・リーブスをモデルにしただとか。

オリヴァーの死亡により、リチャードは劇場を続けていくために新たな芸術監督を選出することになります。

ジェフリーが変人というか疫病神というか、もう劇団は難破船にのった気分です。なんとか進んでいくのですが、わけのわからないトラブルと苦難の連続です。天才と変人は紙一重であったり同居したりしているものです。

ジェフリーは幻覚というか、オリヴァーの亡霊が見え、それと会話したりしています。はたから見ると、1人で喋っているイっちゃった人です。

ショウはオフビートですが、コメディテイストを醸し出しています。それも元KIDS in the HALLのマーク・マッキンニー(リチャード役)が色々なネタを出しているからだそうです。結局Kidsの中では彼が一番成功しているのかしら?

ちょっと奇妙な感じがしますが、どことなくカナダっぽいといった感じです。ショウの雰囲気は他のカナダの番組であるMADE IN CANADAやThis is Wonderlandに似ています。まずはこの雰囲気が受け容れられるかですね。

ハムレットについて、わたしは予備知識はまったくありませんでしたが、あらすじを読んでおいただけで、それなりに楽しめました。これ観ると舞台も観たくなりますね。本当です。

また、作りとしては、1シーズンでうまくまとめているので、それは非常に好ましいです。音楽も好きです。

万人にお勧めするほどの自信はありませんが、結構面白かったのでわたしは好きです。シーズン2ではマクベス。シーズン3ではリア王の舞台を行います。

非学習者的視点

英語圏の子供達は、学生の時に、最も美しい英語で書かれた戯曲として、英語の授業でシェイクスピアを学ぶそうです。なので、一応授業に出ていればその概要を知っています。よく学生が演劇をやっているシーンとかありますしね。

一方、日本人はそういった外国の古典をよっぽどの興味を持たない限り知ることはないでしょう。そもそもきっかけもないですしね。




直球評価

・かなり独特なノリ。
・ジェフリーの変人度についていけるかどうか。
・周りも変人が多くてどうもねぇ・・・。
・各シーズンでそれなりに面白いラインがある。
・舞台やシェイクスピアに興味があれば、より楽しめるかも。
・悪くないけど、オススメしにくいなぁ・・・。
・日本じゃやらないな、これは。

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