MI-5 英国機密諜報部 (原題:spooks)

対テロリストスパイの現実

イギリスを護るspooksとはMI-5 (Military Intelligence

5)Agentの俗称。
あらゆる脅威から国を護り、治安を維持するために彼らは常に緊張を緩めることなく活動している。
Counter-terrorism departmentでは、国内に潜む脅威を発見し、計画を未遂に終わらせるために戦うspooksたちの姿を追う。

制作国: uk.gifイギリス
放送時間: 60分
ジャンル: 犯罪捜査、テロリスト
DVD発売: シーズン1~10 (UK), 個別Episodes (US)
初放送: BBC1 2002~2012
HuluU-NEXTで配信中!!

総合評価:☆☆☆★
リアル度:☆☆☆★
スッキリ度:☆★

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9/11以降、世界中の国々がテロの脅威を実感し、その脅威に対する警戒を強めていることはいうまでもありません。実際にオリンピック開催予定地となったロンドンでもIRA以外の勢力による爆破テロが実行され、イギリス国内では異常なまでにテロに敏感になっていました。

国内での治安維持に努めるのが、MI5 (Military Intelligence

5)と呼ばれる国内諜報機関。アメリカのFBIにあたる存在です。ジェームス・ボンドが所属するのはMI6の方で、こちらはアメリカで言うとCIAにあたります。対国外という位置づけ。

さておき、国内に潜む脅威を発見し、テロの実行を未然に防ぐ役割を担うのが、このドラマの主人公達、Counter-terrorism departmentです。

MI5エージェント、通称スプークス(spooks)たちは、事件に関与すると疑いのある人たちにあらゆる形で接触し、情報を収集します。身分を偽って直接接触したり、チームでの尾行、容疑に確信が持てる場合は家宅侵入し、盗聴器を仕掛けたりと大胆な行動にも出ます。

こうなると超法規的でプライバシーもへったくれもないわけですが、特殊なケースではそれを許すことで、テロを未然に防ぐ力としているのです。

若くしてSection Bなるチームを率いるのがトム・クイン (as Matthew Macfadyen)。的確な判断と行動力、統率力を兼ね備えた理想的なリーダーです。監視ミッションの中、偽名のマシュー・アーチャーとして知り合ったシングルマザーのレストランオーナー、エリー・シム (as Esher Hall)と付き合っています。エリーにはメイシー (as Heather Cave)という娘がいて、トムはメイシーにも大変好かれています。
身分を偽っていますし、緊急出動が多いので、なかなかうまくいかないところもあります。

トム同様、若くて大変優秀なのがゾーイ・レイノルズ (as Keeley Hawes)。潜入、データ分析のスペシャリストで、それこそ仕事に全てを投げ打っています。同じくトムのチームに所属する新人のダニー・ハンターズ (as David Oyelowo)は監視、コンピューターハックのスペシャリストで、2人を後方から支援します。

この曲者たちをとりまとめるCounter-terrorism departmentのトップとなるのがハリー・ピアース (as Peter Firth)。元軍人で、ヘッドハントされてMI5へやってきました。結婚して子供もいましたが、今は独り身です。タフな決断をし、国への貢献を第一と考える姿は、他のメンバーの見本となります。
お気に入りのトムをチームリーダーに抜擢したのは、他ならぬハリーです。

20年以上MI5で活躍しているのがテッサ・フィリップス (as Jenny Agutter)。長くこの世界で生きるだけあって。タフでシニカルでしたたかです。野心的で、今の地位に辿り着くまで苦労してきました。パッと出で抜擢されているトムに脅威を感じずにはいられません。

スパイものはたくさんありますが、その中で最も現実に則したドラマといえるかと思います。
エージェントたちは、普段の生活で本名を名乗ることは一切なく、自分がMI5エージェントであることを告げることもありません。家族や恋人も基本的にはおらず、本当の意味での友人も一般社会には存在しません。

休暇といえるものはほとんどなく、呼び出されればいつでも出動します。そのため、一般社会人として生きることは不可能に近いのです。孤独です。

監視や尾行などの追跡もかなり地味で、未来の便利なツールなどもありません。わたしたちが想像できるような物ばかりです。

そうした本物志向なところが、ある種の緊張感を生んでいます。派手でない分、スピード感やスリルに欠けると感じる点もありますし、もう少しわかりやすい心理描写がほしいというのも否めません。

マルチスクリーンなど、24の手法そのままですが、それなりにうまく使っています。まあそれなりです。うまくはない。

このドラマ、日本版は違うでしょうが、イギリス版はクレジットが一切出ません。オープニングのBBCロゴと、エンディングのBBCロゴと制作会社のKudosのロゴが出るだけで、キャストやクルーの名前は表示されません。プロデューサーの方針のようです。

リアルなのはいいですけど、今一つ感はありますね。シーズンが進むにつれて改善はされていきますけど。

あと、シーズンが進んで行くと分かるかと思いますが、最終的な主人公は、どうやらハリーのようです。1シーズン6話で、どんどん観進めていけると思います。

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