タイタス (原題:Titus)

結婚なくして離婚無し!!

クリストファー・タイタスの父親はなんと離婚歴5回。
子供のころの特殊な環境からか、ユニークな感性の持ち主。
同様に複雑な少年時代を送った弟のデイヴィッド。
そしてビールを愛する父親と不思議な家族が構成されている。

制作国: アメリカアメリカ
放送時間: 23分
ジャンル: コメディ、家族
DVD発売: シーズン1〜3 (US)
初放送: FOX 2000〜2003 全3シーズン 全54話
日本初放送:FOX 2002〜2003 全シーズン

総合評価:6.2/10 6.2/10
ハチャメチャ度:7.4/10 7.4/10
暗さ:2.0/10 2.0/10


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アメリカの家庭は崩壊済みだ!!

このドラマの主役を演じるクリストファー・タイタスはスタンドアップ・コメディアンです。彼自身の実の家族と実生活を基に作ったのがこのショウです。
彼によると、いや、Los Angels Timesによると(と彼は主張する)「アメリカの63%の家庭は崩壊している」とのことです。

登場人物達

主人公のクリストファー・タイタス (as Christopher Titus)は自身で自動車整備工(いわゆるカスタムカーショップ)を営んでいます。結婚と離婚を5回繰り返した父親のおかげで、すっかりユニークな感性の持ち主に育ちました。

その問題多き父親ケン (as Stacy Keach)はビールをこよなく愛していて、いつも片手にビールを持っています。あと、Sexとパーティも大好き!!
クリスが5歳(as Dylan Capannelli)や10歳の時(as Phoenix Forsyth)が色々とあった複雑な時期だったらしく、当時のクリスに自身の独特の哲学を叩き込んでいる様子が流れます。

そしてその父親と同居しているのが、葉っぱ(マリファナ)大好きな弟のデイヴ (as Zack Ward)。アホ過ぎて、一体何を考えているのか、何をしているのかよくわかりません。3番目の妻の連れ子らしいです。タイタスは彼のアホぶりに呆れながらも、非常にかわいがっています。

ガールフレンドのエリン・フィッツパトリック (as Cynthia Watros)とはまあまあそれなりにうまくやってるようです。彼女は弁護士です。ケンからはWitch(魔女)と呼ばれ、忌み嫌われていますが、それは彼女の怒りがいかに恐ろしさをあらわしています。

クリスの自動車整備工場で働く学生時代からの友人トミー・シャフター (as David Shatraw)は、なぜか周囲からゲイ疑惑を持たれています。いいやつです。

ちなみにクリスの実の母親フアニータ (as Frances Fisher)は躁鬱かつ、精神分裂症を患い、精神病院に入院中だそうです。名前的にはラテン系ですよね?

実話ベース・・・

といったプロットのほとんどが実話という世にも恐ろしい設定ですが、番組内で使われているネタも実話を基にしているとかとか・・・。

ただ、実際はもっと凄惨で、さすがにそれじゃあシャレにならんというわけで、うまく脚色を施しているようです。面白くするために味付けをしているのではなく、薄味にしないと別ジャンルの番組になって笑えないからとのことです。そりゃそうだ・・・。

このような極めて深刻な状況の下、まったくそれらしい雰囲気を見せずにコメディとして仕立て上げるセンスはさすがです。普通、シャレになりませんから。

ステージでもこれをネタにして頑張ってきたようで、テレビショウを機にようやく陽の目を見たというところのようです。
それにしても、よくぞこんな環境下でに元気に逞しく育ってくれた!!というのも付け加えたいです。

ショウはシーズン3放映後、キャンセルとなりました。何でもプロデューサーがシーズン4は恋人エリンとの破局を中心にするという方針を出したそうで、実話ベースを主張するタイタスと物別れに終わった結果だそうです。

まあ、3年後にはエリンとの10数年の結婚生活は終わりを遂げてしまうのですがね・・・。皮肉なことに。

ショウの作り

実際のテレビショウとなると、プロットが面白いだけでは続いていかないわけで、父親とクリスの変わった幼少時代。そこから形成された現在、そして周囲のキャラをうまく扱えなければ成功はつかめません。

ネタはあふれるようにあるそうなので、どううまく構成するかが鍵となります。

見る限りで、全体がうまく回っているように思えます。元ネタが元ネタだけあって、ショウとしてのユニークさも出ていますし、及第点間違いなしです。

強いて言うなら、クリストファー・タイタス自身がちょっと浮いている(しっくりきていない)ような気がしなくもないです。

ご覧になった方は、どこかしら雑多な印象を受けたかもしれませんがわたしはクリスの演技のせいかなと思います。もしくはスタンドアップでステージに立っている時のくせなのかもしれません。

番組では、ところどころで倉庫のような小さな部屋で、白黒カメラに向かってクリスが色々と心情などを解説してくれます。スタンドアップのときはこのセットを使ってやっていたようです。
そもそもFOX自体もこの手法をいつも取り入れています。Malcolm in the Middleとか、The Bernie Mac Showなんかもカメラに向かって独り言を言いますしね。

主要キャラが少ないのと、オープニングシーケンスでこれは自分、これはガールフレンド・・・といったふうに、写真と役割が流れるので、名前を覚えられなくてもすんなり入れます。

日本ではFOXで放映されました。それとなく流されていて、注目度は低いようですが、家庭崩壊を主軸として見事にユニークなショウに仕立て上げているので、気が向いたらご覧になってみてください。




クリストファー・タイタスの人生

ドラマでは明るく楽しく笑いとしていますが、実際は非常に複雑で悲しい家庭環境で育ったようです。

父親は彼の幼少期に3度の離婚、そして別の2人の女性と同居していた(最終的に6回の結婚と5回の離婚)そうです。

最初の父親の離婚の後、彼は母方の祖父母の所に預けられます。クリスを奪還しようとして、ケンは逮捕されます。

クリスは12歳の時に両親(といっても片方は継母)の元から逃げ出して、産みの母親の元(ガレージ)で生活をします。しかし、しばらく立って基の生活に戻ります。

ショウでも描かれていますが、その母親は2度目の結婚の時、暴力を受けた夫を射殺します。さらに後には、拳銃で自殺してしまいます。

ドラマにも何度か登場する妹のシャノン。こちらも実在の妹で、彼女は2004年に自殺してしまいました。

ケンも2001年に心停止でこの世を去っています。彼がDVDの特典映像で、ステイシー・キーチが自分を演じているのを観て、「あの男は誰だ!」と叫んでいるのには笑えました。

はっきり言って、ステイシー・キーチが演じるケン・タイタスは非常に良かったです。非常に雰囲気が出ていましたね。

タイタス自身は初婚で2人の子供を授かりますが、不幸なことに離婚し、今は長年のパートナーと2度目の結婚をしているようです。

まあ、アメリカでは(今や日本でもか)2度目の結婚自体はそれほど珍しくないので、父親の悪影響で・・・とまでは言えないでしょうね。

彼の人生については、CDアルバム(というかMP3の方が今は一般的?)「Norman Rockwell Is Bleeding [Explicit]」に収録されています。

直球評価

・暗さを上手く明るさに変えている。
・クリストファー・タイタス浮いてる。これが致命的・・・。
・一方でステイシー・キーチの演技は光る。
・実話を知ると、ショウの良さがよりわかる。
・他にはなかなか無いネタなのが良い。

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