The DL Chronicles

彼らは秘密を保ち続ける

自らがゲイということを隠して過ごしているダウンロウなアフリカ系アメリカ人たち。
1人のジャーナリストが、そんな彼らの行き方をリサーチ。
普段は女性を愛する男性を演じている彼らの本当の気持ちを描いたショートストーリー集。

制作国:アメリカ
放送時間: 30~40分
ジャンル: ドラマ
DVD発売: Season 1 (US)
初放送: here! 2007 全4話
初放送(JP): 未放送

全部観ました。
DVD持ってます。

総合評価:☆☆★
完成度:☆☆☆
ストーリー:☆☆☆
※ストレートな筆者の評価です。

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here!という放映局はゲイ専門チャンネルのようで、ゲイ向けの番組を色々提供しているようです。なんかLGBTといって、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)&トランスジェンダー(Transgender)、これは性転換ですね、の略だそうです。

ま、そういうチャンネルみたいです。ターゲットが絞れていることと、それだけ人口がいるということで成り立っているんでしょう。で、代表作というと、「Dante's Cove」とか「The Lair」というオリジナルシリーズ(これらは凄くつまらなそう)を持っていたり、後は映画とか流してるみたいです。

さておき。DL=Down Lowというのは、いわゆるシークレット、秘密のことで、ゲイ用語(黒人俗語だそうです)でいうと、自らがゲイであるということを隠して生活している黒人男性のことのようです。このショウでは、DLな黒人男性を主人公として,彼らの生活を描いたものです。 毎回毎回主人公が違うショートストーリー形式となっています。冒頭は彼らの生活をリサーチしたジャーナリスト、チャドウィック・ウィリアムズ (as Damian Toofeek Raven)のナレーションで始まります。

彼が黒人ということもあり、ターゲットも黒人のようです。 物語的にはどれも似たような感じです。普通に生活していて、出会いがあって、実はDLなんだけど・・・周囲にばれたらやだなー、というのを乗り越えられるかどうかみたいな感じです。エピソードによって、主人公が既婚だったり、離婚していて子供は知らないなど、シチュエーションは様々です。

いや、これが結構面白いんですよ。ちょっと笑えます。あと、ゲイ独特のアイコンタクトみたいなのがあるんですよね。直観みたいなの。あれはうまく表現できていると思います。まあ、こっちの先入観もあるんでしょうけど・・・。 そうした不思議な空気はうまく表現できていると思います。わたしがこう書くのもアレかもしれませんけど・・・。

このショウは、クインシー・リニア、デオンドレイ・ゴセットという2人が、脚本から演出、編集までこなしているようで、彼ら2人のショウと言えます。こういうアレなので、たいした予算もなく粛々とやっているようなのですが、あまりチープ感もない、良い仕上がりになっています。 なんか味のある役者とか出てるんですよね。ギャラも安いので全く無名なのですが・・・。単にわたしが余りにもチープなのを見過ぎて麻痺してるだけかも・・・。

まあ、でも役者とかが普段は仕事があるので早朝や休日に撮影していたりとかみたいです。大変ですね・・・。エキストラも同じ人の使い回しとか・・・。こういうのは低予算物にはありがちです。後は制作側の親族登場とかね・・・。ホント大変ですね。

この制作者の2人自身がDLとして7年近く過ごしていたようで、その経験が各キャラクターの何とも言えない雰囲気を演出しているようです。たぶんね。

全体的に、そんなに感情をえぐるようには描かれていない(少なくともストレートのわたしにとっては)ので、結構気楽に観ることができます。まあ、その分物足りないと感じる人もいるかと思います。こう、シンプルであっさりなんですよね、全体的に。実際そんなもので狙いどおりなのか、力量不足でそうなったのかはわかりませんけど・・・。

レズビアン系のチープな映画を散々を見まくったので、感覚が麻痺しているかもしれませんが、それらと比べるとまあよく出来ている方です。ちょっと違いますが、「Bliss」の黒人ゲイ版みたいな感じですね。「Bliss」よりは作りがしっかりしてるように感じました。

わたしは興味本位で観たわけですが、ゲイモノはチープなものばかりでうんざりという方にはよいかもしれませんね。ちなみに日本にはこういうBGLTな(またはゲイ専門)チャンネルってあるんですかね?

 

アメリカンゲイ的視点

日本でもそうでしょうが、ゲイというだけで、かなりの偏見を受けます。まあ、世間が言う自然の摂理?から外れていることが大きな原因でしょう。

それに加え、アメリカではキリスト教が同性愛は神の摂理から逸脱しているものとしていて、否定していまして、それが彼らの社会的地位をさらに引き下げます。そして、彼らに対してのバッシングも激しいです。そういう点では日本より大変なのかもしれません。 そういった社会の理解の無さという背景が、彼らがゲイであることを隠すにいたらせるのでしょう。まあ、ごく自然な流れですね。不必要に自らがゲイであることを公表して、社会からの評価を下げても仕方が無いからです。まあ、メリットが少ないわけです。

ですので、実はゲイだなんて人は結構いるんでしょうね。まあ、全体からしたら微々たる人数なんでしょうが・・・。正にそういった悩みや秘密を抱えている人たちに向けたショウだといえます。狙いどころがよいですね。

 

直球評価

・ゲイの人がどう評価するかはわからない。
・ドラマとしては成立している。
・作りも悪くない。うまく作っている。
・で、意外と面白い。
・ストレートのわたしが観る限り、ドキドキはしない。
・独特の雰囲気は良く出ている。
・各話の主人公はかっこいい。


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