アブソリュートリー ファビュラス (原題:Absolutely Fabulous)

Ab Fab!! まさにタイトルどおり!!

あのかつて華やかだった1970年代の青春時代を引きずり続け、心そのままに生きるエディ。
同じ志を持つ親友のパッツィと共に、ドラッグとアルコール(SEXはない)に溺れながらの生活。
そんな母を冷めた視線で見つめ、反面教師として真面目に育ってきた娘のサフィー。
Fabulous(素晴らしい)であるはずのエディの生活を描く。
通称「アブファブ」

制作国: uk.gifイギリス
放送時間: 30分
ジャンル: コメディ
DVD発売: シーズン1〜5, 2012 スペシャル (US, UK)
初放送: BBC 1992~2012
初放送(JP): BBC Japan 2005

総合評価:☆☆☆☆
ぶっ飛び度:☆☆☆☆☆
教育的指数:★


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壊れたお母さんと生真面目な娘

フレンチ&サンダース (French & Saunders:イギリスの人気コメディアンおばちゃん2人組のショウ) でお馴染みのJennifer Saundersがクリエイターとして放つ、渾身のコメディショウ。
初期のFrench & Saundersでのスケッチを基に作られたのがこのショウ。

そういえば、まじめな娘といっちゃってる母親のスケッチがあったわ・・・。確かスケッチのタイトルは「The Modern Mother and Daughter」。

エディナ・モンスーン (as Jennifer Saunders)ことエディはファッション関係の広告代理店?みたいな会社を興し、そこで働いています。
離婚を2度し、2度目の夫ジャスティン(ゲイ)との間にできた娘、サフロン (as Julia Sawalha)、通称サフィーと共に暮らしています。ジャスティンから多額の養育費をぶんどってね。

古き良き時代は過ぎ去ったものの、エディはその時代に取り残され、その時から全く成長していません。
まるで中学生か高校生のようです。70年代のファッションに身を包み、アルコールやドラッグに溺れ、いつもへべれけな母親です。

そんなエディに対し、まじめを絵に描いたような娘サフィー。
いつも勉強をしていて、母親たちに邪魔をされて、たまにぶちきれて叱りつけます。自堕落な母親との対決が見ものです。むしろサフィーが母親で、エディが子供のようです。周囲のハチャメチャさに隠れがちですが、一番しっかり演技しています。

なんともニュートラルなおばあちゃんであるエディの母ミセス・ジュン・モンスーン (as June Whitfield)も、しばしばエディ宅に現れます。ボケているように見えますが、どうやら天然のようです。そそっかしい周囲に踊らされずにマイペースを保っています。放任主義だったのかな・・・。

絶対悪友

エディの幼なじみで親友で独身貴族であるパッツィ・ストーン (as Joanna Lumley)は見るからにゴージャスで、エディ以上に酒とドラッグに溺れた生活をしています。あまり表情に変化がなく、クールな感じがします。

男に対する嗅覚は異常に発達していて、いい男に対しては即座にモーションをかけ、追いかけています。収入は何もしなくても給料が入る、ファッション雑誌のファッション監修らしい。
子供っぽくわがまま放題のエディに対し、パッツィは確実に間違った成長をした大人といったところです。

エディの秘書?である、ケイティ・グリーン (as Jane Horrocks)。通称バブルもかなりぶっ飛んでいます。ファッションはすっとんでいますし、秘書としてほとんど役に立っていません。

彼女がいったい何をしているのか誰もわかりません。そんな間抜けぶりが面白いです。きっと人気があるキャラでしょうね。

目も当てられない低俗さ

そんなわけで、とにかくアホなエディとパッツィのとんでもなさぶりを延々と描いていきます。そしてそれに振り回されるかわいそうな娘サフィ。他の人はあまり振り回されていません。笑いの種類で言うと低俗な部類に入ります。観ててアホさ加減に呆れるほどです。

わたしはそこまで面白いとは思わないんですけど、このぶっ飛びぶりを面白いと感じるのも理解できます。面白いところはもちろん爆笑できます。やはりというか、どこかしらFrench & Saundersなノリですね。なので、どちらかが好きなら両方愛せると思います。

10年ほど前に観た時は、あまりにアホ過ぎてついていけずでしたが、今観てみると面白い・・・。ってことはアホになったのか?わたし。

主演兼脚本のジェニファー・サンダースは思い切りウケを狙って書いて演じているようです。馬鹿なキャラでウケを取るのは簡単なように思えますが、ここまで徹底し、多くのファンを獲得した実績は素晴らしいです。
念のため書いておきますが、お子様に見せるのは、教育上よろしくないかと思います。

ヒッピーやパンクな世界に浸りたい人にはお勧めします。
ショウのメインテーマ曲はJulie DriscollのThis Wheel's on Fire。

伝説はまだ死なず

もう完結したかと思ったら、2011年のクリスマスエピソードと、2012年の新年のエピソード、夏のオリンピックエピソードが放映されています!観なきゃ・・・。
20周年スペシャルエピソード集として、DVDも出ていますね!
映画を作る!なんて話もあるようです。今さら?

日本語版について・・・

BBC Japan開局のウリの一つとして放映されましたが、BBC Japanはあえなく撤退。このために加入したAbFabファンがどれだけいることやら・・・。

なお、日本語版ビデオ(VHS)は販売されています。DVDはイギリスのamazonで買うか、素直にUS版をamazon.co.jpで買うのが良いかと・・・。

娘サフィー世代視点から

主人公たちがあまりにぶっ飛んでいるので、2人に憧れるという人はいないでしょう。

退廃的で、人間的魅力というものからはかけ離れています。しかし、ファンタジー世界の住人と考えると、どこかしら愛着が持てるのも事実です。

何かと制約が多い窮屈な社会を生きている我々からすれば、何も考えずにただただその時を動物のように無心に自由奔放に生きる姿が羨ましく映るだけなのです。

エディにもパッツィにもなりたくありませんし、やっかいな母親を持つサフィーにもなりたくないでしょう。
お馬鹿ながらも笑いに滿ちた現実的なようで非現実な世界に、わたし達はただただ憧れているだけです。無いものねだりのようなものです。

とかって、真面目に語るような内容でもないんだけどね・・・。

直球評価!!

・アホ過ぎてついていけないところがあり、なぜか怒りを感じる。
・面白いと言うと、周囲にあんなのが好きなの?と言われるのが心配。
・特に家族や恋人にはこのショウのファンだと知られたくない。
・面白いと感じる自分の人格がちょっと心配。(自分も含めて)
・このショウについて語り合える友達が欲しい気がする。(けど不安も多々あり)
・女性のこのショウのファンは、男性のこのショウのファンよりまともそうに感じる。
・子供が小さいうちは絶対に見せたくない。
・このショウのせいでイギリスのコメディ=下品と思われると困る。(実際そうだけど)

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