デッド・ゾーン (原題:The Dead Zone)

世界の終わりが見える・・・

スティーブン・キング原作の同名小説をテレビシリーズ化。
交通事故による6年の昏睡状態から目覚めたジョニーは人に触れるとその人の過去や未来を見ることができる能力が備わっていた。
そしてその能力がゆえに、自らの運命を背負い込む・・・。

制作国: us.gifアメリカ
放送時間: 45分
ジャンル: SF
DVD発売: シーズン1~6 (US)
初放送: USA 2002~2007 6シーズン 全80話
初放送(JP): AXN 2005~2010

全部観ました!

総合評価:☆☆★
原作評価:☆☆☆☆★
映像評価:☆☆☆☆


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スティーブン・キング原作小説。クリストファー・ウォーケン主演で映画化され、こちらもなかなか面白いです。

教師であるジョニー・スミス (as Michael Anthony Hall)は、交通事故に遭い、昏睡状態に陥ってしまいます。誰もが彼はもう二度と起き上がることはないだろうと考えていましたが、6年後に長い眠りから覚めます。しかし、6年という歳月は彼の全てを変えてしまいました。

婚約者であったサラ・ブラックネル (as Nichole deBoer)は、ジョニーをあきらめ、保安官のウォルター・バナマン (as Chris Bruno)と結婚し、子供までいます。しかしその子供はジョニーとの間の子供です。

ジョニーは、人や物に触れると、その人やその物の持ち主の未来や過去を垣間見ることが出来るようになってしまいます。それにより、その人の気持ちを知り、その人の未来を変えることができるようになります。

元々教師で正義感の強いジョニーは、その力を正しい事へ使おうと決意します。

事件の真実も見通せるため、保安官のウォルターに掛け合いますが、なかなか信じてもらえません。しかし、次々と結果を出すことで信頼を得ていきます。

ただ、人の未来や過去を見れるっていうのが必ずしもよいわけではなく、見たくもない人の将来や過去を知ってしまったり、知った以上は何とかしなければいけないような義務感を背負ってしまいます。また、この能力がとことん忌み嫌われたりと、様々な苦悩を抱えていきます。

そんなジョニーを、バンガー・デイリーというローカル新聞の記者ダナ・ブライト (as Kristen Dalton)が追い回します。ちょっと憎らしい役ですが、キャラ的には魅力ありです。

原作ではお馴染みの政治家、グレッグ・スティルソン (as Sean Patrick)は、シーズン1最終話から登場。ジョニーの運命の相手として、登場するたびに緊張感をピリピリと発してくれます。

原作とはデッド・ゾーンの解釈が違います。テレビシリーズでは、人間の脳の使われていない部分で、ジョニーはそこが活性化され、特殊な能力が備わったということになっています。

ロングランドラマの関係か、原作やよりもジョニーは元気です。原作や映画ではかなりボロボロですが、このショウではほぼ普通に歩います。主演のアンソニー・マイケル・ホールも悲壮感のある顔ではありませんしね。

結構色んなところでCGを使いまくっています。クリエイターのマイケル・ピラーは、スタートレックなども手がけていたので、そこで知り得た色んな手法をフル活用しているそうです。時間が止まるやつとかそうみたい。

原作を知っている者としては、ショウはいつか終わりを迎えるものであり、それが早ければ早いほどすっきりした感があるものです。

しかしながら、押しも押されぬ人気ショウとなってしまい、原作の本筋の進行が異常にのろいです。各シーズンの第一話と最終話でしか、それが進みません。はっきり言って、ちっとも進みません。それに非常にイライラさせられます。

最初は大好きなショウでしたが、次第に早く終わってくれーと祈るようになりました。ちっとも進まないのにDVDを買い続けるのもつらかったです。

結局のところ、原作のスティルソンのライン以外に、物凄く視聴者の気を引くようなラインを作れなかったというわけです。はっきり言って非常に残念な結果に終わったと思います。

ショウは、2005年にプロデューサーのマイケル・ピラーが亡くなったことで、事実上継続不能となり、翌年撮影分のシーズン6で幕を閉じました。

永く続いて欲しいと願うファン(アメリカにはたくさんいたらしい)と、きちんと終わりを迎えて欲しいというファンのどちらも満足させることが出来ませんでした。

この辺りがアメリカテレビ界の良くないところですね・・・。それに毒された残念なショウと言えるでしょう。

ちなみに本作品に、原作者のスティーブン・キングは関与していません。

そういえば、クリスマススペシャル用に、同放映局の人気ショウ「名探偵モンク」とのコラボレートエピソードが作られたはずですが、どこにいったのかしら?

原作的視点

原作および映画では、能力を持ってしまったことで、自分が罪を犯してでもやり遂げなければならない、命がけの重大な使命を背負います。このシリーズでも同じですが、かなりぼやけていて、それに関する時間との闘いはありません。

あまり暗すぎるショウにしたくなかったのか、ジョニーの物悲しさは、それほどでもありません。サラとの関係も、比較的丸く収まっているように感じます。

ショウを長生きさせるには、原作のラインをさっさと終わらせ、新たにもっと視聴者を引きつけるようなラインを描くというパターンもありますが、原作ではジョニーは最後に死んでしまうので、それができなかったようです。

やはり、そういう避けられない運命に対し、命だけではなく、全てを懸けて挑む孤独感に、人はかっこよさや共感を覚えます。それに代わるものがなかったのが、何度も書きますが非常に残念でなりません。

できれば原作の方を読んで欲しいな。図書館などで。映画はまあまあ。





直球評価

・能力を持ってしまったことの苦しさが見所。
・全体を長い目で見ると非常にがっかり。
・シーズン1はネタも色々あったせいか、非常に面白い。
・恐らく原作を知らないとしてもダラダラを感じるはず。
・ほとんど単なる超能力探偵。
・スティルソンが出てくると非常に盛り上がる。
・結局原作には及ばない残念なショウ。

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