アレステッド・ディベロップメント -ブルース一家は大暴走! (原題:Arrested Development)

迷作扱いされた傑作!

冷凍バナナを始めとするファミリービジネスで成功を収めたブルース一家。
しかし父ジョージ・シニアが引退の日に脱税で逮捕されてしまう。
路頭に迷う一家は一番マトモな次男マイケルを頼るしかなく、マイケルは変人ぞろいの家族をまとめ上げるのに苦悩する。

制作国: us.gifアメリカ
放送時間: 23分
ジャンル: コメディ
DVD発売: シーズン1~3 (US)
初放送: FOX 2003~2006 3シーズン
初放送(JP): FOX life HD 2006~

総合評価:☆☆☆☆
取っ付き易さ:☆☆
イライラキャラ度:☆☆☆☆


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登場するや否や1年目で低視聴率の低空飛行。一方で批評家からはサインフェルド以来の傑作と評され、テレビランド賞、ゴールデン・グローブ賞、エミー賞と主要なタイトルを獲得!
当時Foxがお得意としてきたシングルカメラによるコメディ。

ちなみにArrested Developmentとは、発育停滞みたいな意味だったと思います。
そんな停滞気味の登場人物が多いので先に紹介。

主人公マイケル・ブルース (as Jason Bateman)は一家の中で最もマトモ。父ジョージ・シニアが引退する際、後継者として指名されると思われたが、なんと母親にその座を奪われてしまう。すねて会社を去るが、家族は他に頼る人がいないため、結局は連れ戻されてしまいます。

結婚しましたが、妻には先立たれてしまい、今は独り身です。ジョージ・マイケルは彼の息子。
家族をなんとかとりまとめ、訴訟や会社を運営していくのに四苦八苦していきます。それもこれも、ダメ家族のせいで、苦労は今も増え続けます。

ブルースカンパニーの長、ジョージ・ブルース・シニア (as Jeffrey Tambor)は、引退の日に脱税で逮捕されて監獄で暮らしています。それなりに牢獄生活を楽しんでいますが、事あるごとに鉄格子の中から家族をコントロールしようと試みます。

檻の中でもビジネスを展開するという根っからのビジネスマン。相変わらずうさん臭い商売を展開しますが、意外とヒットします。商才はあるらしい。

ルシール・ブルース (as Jessica Walter)はジョージ・シニアの妻でマイケルの母。かつてのような優雅な暮らしを望み、まじめなマイケルにばれないようにこっそりお金を隠しています。末っ子のバスターを管理下においていていちいち干渉したがります。

ジョージ・オスカー・ブルース (as Will Arnett)通称ジョブ(George Oscar Bluthの略)は長男でマジシャンです。腕はなかなかのもので、年間最優秀マジシャン賞を何度も受賞しています。しかしながら、トラブルメーカーでもあります。そもそも素行が悪い。

第一話で、イリュージョンボックスに父親を隠しますが、警察の捜査にあってしまい、ニュースでイリュージョンボックスのタネを明かしてしまったため、マジシャン協会から追放されてしまいます。
愛車はセグウェイ!!勢いがあって一番面白いです。

リンジー・ブルース・フュンケ (as Portia de Rossi)はマイケルの双子の姉か妹かはわからない(アメリカ人はどっちが年上とかあまり気にしない)がとにかく同い年。ご覧のとおり美人がウリ。なぜかさえない夫とバイアスと結婚。

高級志向なところは母親と変わらず、同じく優雅な生活を切望して、会社のクレジットカードを使いまくります。他の家族の例に漏れず、結構無茶します。

トバイアス・フュンケ (as David Cross)は精神科のドクターだったのですが、俳優に憧れて精神科医を引退した"自称"俳優。憧れたからといってうまくいくわけではなく、仕事に関しては苦労しています。リンジーにはすっかりあきれられてしまいます。
全裸になるのがいやで、いつもデニムパンツを下着の下にはいています。

バイロン・ブルース (as Tony Hale)通称バスターは母親にべったり。ルシールに完全に管理されていますが、実際にはそれを望んでいるようです。パニック症候群を持っていて、パニックに陥るとぶっ倒れてしまいます。
超地味な趣味や特技をたくさん持っていますが、ほとんど何の役にも立っていません。

ジョージ・マイケル (as Michael Cera)はマイケルの息子。歌手のジョージ・マイケルとは関係なくて、祖父のジョージと父のマイケルを取っただけ。いとこのメイビーが気になるお年頃です。冷凍バナナのスタンドで店長をやっています。

マエ・フュンケ (as Alia Shawkat)通称メイビーはリンジーとトバイアスの娘。結構狡猾に生きています。それも親がアレなせいかも・・・。ズルをすることに関しては家族一かもしれません。意外な才能を発揮したりもします。
ジョージ・マイケルを誘惑し、困惑させ続けています。

最初のしばらくはそんなに面白くないので、視聴率が悪かったのもうなずけます。シーズン1の終わりに差し掛かってくると結構笑えるようになってきました。結構サクサク観れて気軽に楽しめます。

人数が多いので覚えるのには苦労しそうですが、意外とすぐに全員覚えられました。
制作総指揮のロン・ハワードによるナレーションも効果的です。

上の紹介を見てのとおり、変人ばかりなので、色々問題や話題が絶えません。ブルース一家は何かと新聞沙汰になるし・・・。ジョージ・シニアの裁判をみんなでなんとか有利に進めようと苦心しますが、一向に好転しません。
さらにジョージ・シニアの双子の兄、オスカー・ブルース (as Jeffrey Tambor)も登場して、ややこしさが増してきます。

各エピソードの最後に次回予告がありますが、未放映シーンも多いのでこれを見逃してはなりません。

批評家からはFuture Classicとして期待されてきましたが、視聴者からの評判は今ひとつ。何とか生き延びてきたものの、シーズン3で打ち切りになってしまいました。

新コメディ的視点

当時はスタジオで観客を前にして収録するタイプのいわゆるシトコム(シチュエーション・コメディの略)の終焉期で、人気ショウであったフレンズ、フレイジャー、レイモンド!などが次々と終了し、新しいコメディスタイルの模索期にありました。

このショウを放映したFOXは、マルコム・イン・ザ・ミドルやザ・バーニー・マック・ショウなど、新しいスタイルのシングルカメラ、シチュエーション・コメディでそこそこ人気を取っていました。

結局ロケ中心型の少しオフビートなコメディへと集約していきましたが、その型での明確なヒット作品がほとんど出ず、作る側も観る側も右往左往していました。このショウはそういった新コメディの先駆けと評されましたが、視聴率はほとんど取れず、単なるマニア向けの地位で終わってしまいました。

批評家達の評価が高すぎて、それがショウへの不信感にも繋がったように思います。一家の変人度をむりやり高くし、ウケを狙った設定であるのに、登場人物が多すぎて複雑だったため、シーズン1の序盤で笑いを取ることができませんでした。

その時点ですでに勝負はついてしまったようです。視聴者はもっとわかりやすい笑いを求めていたのでしょう。

今こうして観てみても、序盤の今ひとつさは明白です。ただ、見続けた上での全体的評価となると、批評家達が正しかったとは言えます。

どんな番組でも、スタートダッシュで視聴者の心をパッと掴めなければ、その命は長くないということでしょう。
ヒットしたコメディショウ(Curb your enthusiasm, 30 Rocks, The Officeなど)との違いはそこにありました。

伝説は死なず!!

ファンからの声や業界からの高い評価があって、一時期は映画化されるなんて話もありましたが、お金が集まらなかったのか、結局は実現せず。

しかししかし、なんと2013年になって、Netflix限定でSeason 4が制作されました!!
しかもDVDが発売されるという噂もあり、amazon.comでは予約ができます。予約しよっと。

そして再び映画化の話が再燃しています。

直球評価

・面白くなるまで時間がかかる。
・普通ならその前に脱落する。
・ルシールやトバイアスにイライラする。
・ライザ・ミネリにイライラする。
・オニオンが出てくるともっとイライラする。
・GOBは面白い。
・お勧めしにくい。


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