カーニバル (原題:CARNIVÀLE)
奇妙な世界の奇妙なお話
西暦1934年。世界は水面下で大きく揺れ動かんとする。
そんな中、街から街へと渡り歩くカーニバルの一団と共に旅をする不思議な力を持つ少年ベン。
遠く離れたカリフォルニアで同じく不思議な力を持つブラザー・ジャスティンの姿を描く。
時代設定と独特な世界観。光と闇の戦いがここに始まる・・・。
制作国: アメリカ
放送時間: 58分
ジャンル: ファンタジー
DVD発売: シーズン1〜2 (US)
初放送: HBO 2003~2005 全2シーズン 全26話
初放送(JP): Hulu.jp
総合評価:☆☆☆☆★
取っつきやすさ:☆
ノリの良さ:☆☆
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治癒能力を持つベン
病で母を失ったベン・ホーキンス (as Nick Stahl)が,不思議なカーニバルの一団と遭遇し、共に旅をするところから始まります。周囲には知られていませんが、ベン自身はヒーリングの能力を持っています。しかし、この能力。一人を癒やすのと引き替えに、周囲の多くの生命を奪ってしまいます。
ベンが唯一心を開ける(というか、年頃の女性だから近付いたのか)のがタロットカード使いのソフィ・アグネシュ・ボジャクシヤ (as Clea Duvall)です。彼女には、病の母アポロニア (as Diane Salinger)がいます。この子の占いにも真実を見抜く力が多少あるようですが、それが彼女の物なのか、母親の物なのかははっきりしません。
ベンは気づかぬうちに底知れぬ強大な何かに,運命へと導かれていくこととなります。
不思議で強大な力を操るジャスティン
もう一人の主人公とも言えるブラザー・ジャスティン (as Clancy Brown)はカリフォルニアに住んでいます。彼は幻覚を見せたり、自身も様々なビジョンを見たりします。神の力か、彼の力か。とにかく強力なパワーを持っています。彼の実の姉であるイリス・クロウ (as Amy Madigan)が彼をサポートします。
彼のビジョンは、なぜかベンのビジョンと繋がっています。彼もまた、強大な何かによって運命の道へと導かれていきます。ここがこのドラマの見所の一つです。
カーニバルの一団
このカーニバル、色々なマジックショウみたいなものや、フリーク(奇人というか、蛇人間とか髭が生える女性とか)を見せたり,普通のテキ屋のゲームとか観覧車みたいなのもあります。言うなれば当時よくあったような移動遊園地というかお祭り屋みたいなものなのかと。
一団にはマネージメント(言うなれば団長?)という謎の存在がいて、彼が様々な決定を下しています。次の目的地を決めるとか。
実際にこの一団をまとめるのが、サムソン (as Michael J. Anderson)と呼ばれる小さいおっちゃんです。やっかいな一団をとりまとめるだけあってなかなかの切れ者ですし、唯一マネージメントと会話します。特別なパワーを持っているようには思えませんが、まるでなにもかもお見通しのようで、ちょっとあなどれません。
しかし、彼もまたマネージメントという強力なメッセンジャーに翻弄され,いつしか運命への道を歩んでいきます。
一団には、盲目で触れるだけでその人の過去や未来のビジョンを見ることができるプロフェッサー・アーンスト・ロッズ (as Patrick Bauchau)。彼もまたも強力なパワーの持ち主で、ベンを通してあの謎のビジョンを見ることができます。
不思議な世界観
宇宙の神秘なのか、神の力なのか、はたまた魔術なのかよくわからない不思議な力に満ちた奇妙な世界です。各々が持つパワーというものが、一体何なのかよくわかりません。また、1934年という時代設定と、全体的にセピアな色調のショットがさらに雰囲気を出しています。
それらの不思議な魅力に徐々に引き込まれていきました。そうなるにつれて非常に面白いと感じるようになりましたし、この世界観に浸るのは大好きです。
お洒落で大人のショウのはずが・・・
やはりブラザー・ジャスティンの存在感はたまりません。
タロットカードのオープニングもかっこいいです。1934年当時の映像と交えて様々なカードの中を映し出していきます。センスありますね。
タイトルロゴに月と星がありますし、オープニングもタロットの太陽と月のカードで終わります。これが恐らく光と闇の戦いを意味し、ブラザー・ジャスティンとベンを暗示しているはずです。
当分の間何が何だかわかりません。ブラザー・ジャスティンのラインが面白いのですが、彼が一体どこに向かっているかも少しわかりにくいです。
日本では、Huluでこっそり公開されていましたが、どうやら何の話題にもならずに終わったようです。ってか、誰も観てないんでしょ?
ファンタジー的視点
一般的にファンタジーというと、ヨーロピアンな舞台設定の剣と魔法と怪物の世界が想起されるかと。ゲームでも小説や映画でもよくあります。あとは神々が出てきたりね。こういった設定はあまりにもありふれていて、ほぼ確立されているため取っつきやすいです。
多少設定が違えば、何だかオリジナリティがあるようにも感じます。
このショウは、現実でいう超常現象とか超能力とか、うさんくさそうな力とか存在を主としています。相手を攻撃したりとか、念じて物を動かしたりとかそういう分かりやすいものではないので、ファンタジーな世界にいるのかどうかわかりにくいです。
また、魔法の世界なんかと違って、そういった力や存在が、登場する人たちの間で認知されているわけではありません。あと、発揮した力がどれだけ凄いのかがはっきりわからなかったりしますね・・・。はっきりしない=なんだかいいかげんな印象を与えてしまいます。
このわかりにくさがこのショウの弱点であり、今ひとつ人気の出なかった点と言えるでしょう。もう少し史実と絡み合わせるとかの工夫があった方が取っつきが良かったのかもしれません。シーズン2でひっそりと終わり、ファンとしては非常に残念です。(キリよく終わりましたけど・・・)
直球評価
・序盤わけわからない。・それぞれのパワーがはっきりせず、釈然としない。
・画像がほこりっぽい。(そういう場所だからですが)
・雰囲気はある。
・ベン役のニック・ストールにいらいらする。
・ニック・ストールはターミネーター3でもいらいらさせられた。
・もっと展開が早くてもいいかなぁ・・・。全体がかなり長く感じた。
・どうせなら美人の裸を見たい。
・シーズン3はなくても良かったと思う。
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