エイリアス (原題:Alias)

いわゆる誰も信じるなってやつ

シドニーは普段大学生として生活しているが、もう一つの顔としてSD-6とCIAの二重スパイである。
様々な疑惑、葛藤に翻弄されながらも活躍するシドニーの姿を描いたスパイアクションドラマ。

制作国: us.gifアメリカ
放送時間: 43分
ジャンル: アクション
DVD発売: Season1~5 (JP)
初放送: ABC 2001~2006
初放送(JP): NHK-BS2 2003~2005, AXN 2004~2008
総合評価:☆☆☆
序盤の勢い:☆☆☆☆☆
終盤支離滅裂度:☆☆☆☆☆


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恋愛ドラマ「フェリシティ」のクリエイターJ. J. Abrams(最近じゃスター・トレック撮ってる)が、もしフェリシティが政府のスパイだったら?というまるで小中学生が考えるようなコンセプトで作ってみたらしい。そしてフェリシティで使われたセットをそのまま使っているらしい。家とか大学とか。

そんなわけで主人公のシドニー・ブリストウ (as Jennifer Garner)は一見普通の大学生。だが、もう一つの顔としてSD-6というCIAの内部組織のスパイとして、パートナーのマーカス・ディクソン (as Carl Lumbly)と共に任務で世界を駆け巡っています。

あな恐ろしや、スパイの世界

こうしたスパイ活動のせいで単位を落としそうになるのはどうなんでしょうねぇ・・・。それでも身体能力抜群のシドニーと、マーカスの冷静さと得意の気絶や発作の振り(かなり笑えます)で、数々の任務を見事にこなしてきました。

SD-6のボスであるアーヴィン・スローン (as Ron Rifkin)は、この世界で長生きしているだけあって、相当の曲者です。かわいいお猿のようなおじいちゃんに見えますが、お腹の中は真っ黒ぐろぐろです。

シドニーが婚約者に自分がスパイであることを告げたとたん、その婚約者はSD-6に殺されてしまいます。不信に思い始めたところ、同じくSD-6のスパイである父ジャック・ブリストウ (as Victor Garber)にSD-6が単なる犯罪組織であることを告げられ、CIAエージェントのマイケル・ヴォーン (as Michael Vartan)が窓口となり、CIAとSD-6の二重スパイになることを決意します。(いや、CIAもほとんど単なる犯罪組織だけど・・・)

実は父ジャックもCIAとの二重スパイでもありました(なんじゃそりゃ?)。そんな2人の間には母の死のことで確執があります。

シーズン1では、シドニーとは別で、雑誌記者として独自に謎を追っていくウィル (as Bradley Cooper)の方も意外に面白いです。一般人がそういう裏世界に下手に首を突っ込む恐さを見せてくれます。彼をはじめ、味のあるキャラクターがたくさん脇を固めていて、全体を盛り上げてくれます。

がんばるジェニファー

主役のジェニファー・ガーナーが、当初はほとんどのアクションシーンをスタントなしでこなしているというのがウリでした(観ている側としては別にどっちでもいい)。 ショウを観てもわかるように、結構激しい動きが多く、ホントにこれを自分でこなしますかっ!?というのまで自分でやっているそうです。シドニーの得意技である跳び回し蹴りとかすごいです。腕とか背中とかすごい筋肉してますしね。

ミッションでは、世界中を飛び回ります。超ダサいCGですが、世界中の風景が見られます。もちろん日本も・・・。日本が余りにもひどくて、他の各地もなんちゃってだらけじゃないかと疑いたくなります・・・。

もう一つ面白いのが、シドニーの変装。といってもそんな大がかりでもないんだけど、毎回カラフルなカツラをかぶってコスプレする姿を見るのも楽しみの一つです。

単純ではあるが面白い!

アホらしいコンセプトと思いきや、ショウは非常に面白いです!!一つ一つのミッションの緊張感もさることながら、全体のストーリー自体の緊張感も保ち続けているところが人気の秘訣といえるでしょう。

アメリカのドラマにしては珍しく、キリの悪いところで終わることが多いです。それが次回への期待感を誘います。非常にテンポも良いのでイライラもありません。スタート当時は24よりも面白い!なんて言われましたが、わたしも同じように感じました。

結構時間をいじくりまくってて、前の時間に戻ったり、先に進んだりと忙しいです。時間を巻き戻すことで、その回の面白さを演出しようとしているのですが、たまにどれがどれかついていけなかったりします。わたしはあまりこの手法、好きではありません。

それに加えて、誰が良いやつらで悪いやつらかよくわからないところなど、とにかく謎の多さが観ている者に色々な想像を掻き立てさせてくれます。最初は楽しめる範囲で収まっています。

シーズンが進むにつれ、シドニーだけでなく、多くの女性エージェントが活躍していることがわかります。そして、テーマはやはり家族愛です。

一長一短・・・

それにしても「実はXXだった」という後付け設定が多いし、どことなくかっこよさだけを追求した子供っぽい単純な発想だなぁと感じるところが多々あります。まあ、子供(J. J.)がやることなので、笑って許します。

ちょっと笑える要素を取り入れているところは、変に重苦しくなりすぎずで非常に良いです。
シーズン最終話は必ずクリフハンガーで終わりますのでご期待ください。

残念な事に、シーズンが進むにつれて、段々支離滅裂になっていきます。突っ込みどころ多すぎです。あぁ、子供の発想にはまとまりが足りない・・・。

J.J. エイブラムスへの視線

クリエイターのJ.J. エイブラムスはメインテーマ曲を作曲したり、暗号の「Joey's pizza」の声で登場したりして楽しくやってるみたいです。彼の仕事を気に入ったトム・クルーズが、ミッション・インポッシブルIIIの監督を依頼したのは有名な話です。

しかしながらこのショウは、わたしがJ.J.に失望した最初のショウとなりました。

後付けで「実は~」を連発して支離滅裂になり、人気が下がるとやる気を失うという彼の態度は、この次の「LOST」にも継承されます。人気を集めるのは得意なようですが、継続はできないようです。LOSTは成功したと言えるかもだけどね・・・。

何だか監督した映画も今ひとつな印象しか覚えず、わたしの中では締まりのないヤツという評価です。

このショウもシーズン1はスピーディーな展開なのですが、先の読めるベタな展開と、意地でも視聴者を裏切る無茶苦茶な展開が後付けされ、シーズン2以降、明らかに失速していきます。
話が進むにつれて、どんどんモチベーションが下がって、シーズン5なんて未だにDVDボックスを開けていないんですけど、みなさんどうですか?

直球評価

・序盤のノリは非常に良い。
・ストーリーはベタ。でも楽しめる。
・発想が子供。
・ベタな変装は笑える。
・シーズン2の途中までは最高!!オススメ!!
・シーズン3までは結構楽しめるかと。
・以降はどうでもいい。
・「実はXX~」も続くと笑えない。
・視聴者の意表をつこうとして支離滅裂。
・途中で忘れられるランバルディ。
・どうもJ. J. エイブラムスは信用できない。


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